| EDとは |
ED(イーディー)は「Erectile Dysfunction」の略で、日本語では「勃起障害」あるいは「勃起不全」と呼ばれ、「性交時に十分な勃起やその維持ができず、満足な性交が行えない状態」と定義されています。EDは完全に勃起できない状態だけではなく、勃起に時間を要したり、勃起しても十分に固くならない、あるいは勃起の状態が持続しないなど、勃起が不完全で満足な性交が行えない状態を全般的に指しています。
近年の調査では、成人男性の4人の内の1人が勃起不十分で時々性交ができない中程度のEDもしくは全く性交できない完全なEDの状態とされており、たまにできない軽度のEDも含めると実に成人男性の約8割が該当するという報告もなされています。ED有病率は30代から増え始め、40代では約20%、50代では40%〜50%前後の男性が何らかの自覚症状をもっていますので、EDは特殊な病気ではなく、特に中高年の男性にとっては一般的な症状と言うことができます。 |
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| EDの仕組みと要因 |
加齢にともなってEDの有病率は高くなりますが、日頃のストレスの積み重ね、不規則な日常生活や運動不足、お酒の飲みすぎ、喫煙など、生活習慣そのものがEDの原因になることも明らかになっています。また、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の方は、動脈硬化を通してEDになるリスクがさらに高くなります。
男性が性的な刺激を受けると、脳からの信号が中枢神経や抹消神経を介して陰茎に伝わり、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の動脈が拡がることで血液が流れ込み、一方、出口側の静脈が締まることで血液が海綿体に充満して勃起が始まります。これが正常に勃起する状態ですが、血管自体に動脈硬化などの障害がある場合は、陰茎海綿体の動脈が拡がらないため、十分な量の血液が流れ込まず、勃起が起こらない、あるいは満足な勃起が得られないという状態になります。糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかると、EDになるリスクが高くなるのはこのためです。また、日常生活におけるストレスや心理的な要因が影響してEDとなるケース、手術や外傷によって陰茎海綿体の血管や神経が損傷を受けて生じるケース、脳疾患による神経障害を原因とするケース、抗うつ薬・向精神薬や降圧剤など薬剤の副作用による場合などがあります。
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| ED治療の基礎 |
EDには日常生活のストレスやセックスに対する不安などの心理的な要因あるいは精神疾患を原因とする機能性のED、動脈硬化や神経組織の損傷あるいは男性ホルモンの分泌障害などを原因とする器質性のED、さらにこれら要因の混合型EDなど、さまざまなケースがありますので、EDの自覚がある場合は一人だけで悩まず、専門医に相談することが推奨されています。
EDは決して不治の病ではなく、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの治療薬の処方によって改善する可能性が十分ありますので、医師によるカウンセリングを通じてEDを正しく理解することが大切です。また、国際的な自己診断の基準として設けられている勃起機能スコア5と呼ばれる5つのチェック項目に従って、最近6ケ月の状態からセルフチェックを行ってみてください。
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0点 |
1点 |
2点 |
3点 |
4点 |
5点 |
| ・勃起を維持する自信はどの程度でしたか? |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
| ・挿入可能な勃起の硬さになった頻度はどうでしたか? |
A |
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C |
D |
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F |
| ・挿入後に勃起を維持できた回数はどうでしたか? |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
| ・性交が終わるまで勃起を維持できましたか? |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
| ・性交を試みたとき、何回満足に性交できましたか? |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
A:全くなし
B:ほとんどなし
C:たまに(半分よりかなり下回るくらい)
D:時々(半分くらい)
E:おおかた毎回(半分よりかなり上回るくらい)
F:毎回、またはほぼ毎回
このセルフチェックはあくまでも目安ですが、合計が21点以下ならEDの可能性があります。
また、22点以上でも日常の性行為に不満がある場合は診察を受けた方が良いとされています。
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| 代表的なED治療薬 |
ED(勃起障害)、とくに器質性のEDに処方される治療薬として日本の厚生労働省が承認しているお薬にはバイアグラとレビトラがあり、海外で広く処方されているシアリスは国内では未だ認可されていません。バイアグラ、レビトラとも、機能性、器質性の原因を問わず、70%〜80%と非常に高い有効性を誇りますが、これらのお薬は性的興奮剤ではありませんので、服用によって性欲が高まり勃起するという類いの薬ではありません。
バイアグラは世界有数の製薬メーカーであるファイザー社が開発した世界初の安全なED治療薬で、日本では1999年に厚生労働省に認可されました。バイアグラはホスホジエステラーゼ-5(PDE-5)という射精後に勃起を収める酵素の働きを抑えることで陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させ、これにより海綿体への血液の流入量を増やして勃起を起こりやすくします。バイアグラはED治療薬としては最も一般的で広く利用されていますが、食事による影響を受けやすいと言われています。尚、服用後の作用時間は3〜4時間とされています。
レビトラは世界的に有名な独バイエル社と英グラクソスミスクライン社が共同開発した安全なED治療薬で、バイアグラと同じくPDE-5酵素を抑制する内服薬です。バイアグラに比べてPDE-5酵素抑制の選択性が高いとされており、バイアグラに比べて食事の影響を受けにくく、また即効性があり、内服後20分から1時間程度で効き始めて、3〜4時間持続すると言われています。レビトラはバイアグラが効かない方にも有効なケースがあります。
シアリスはバイアグラ、レビトラとならぶ三大ED治療薬の1つで、その成分であるタダラフィルの血中滞留濃度が高いため、作用時間が最大で36時間前後という特徴があり、1錠で週末いっぱい楽しめることから海外では「ウイークエンド・ピル」と呼ばれ、自由度の高いED治療薬として人気のお薬です。土曜の夕方空腹時に服用すると、長い人で月曜日の朝まで効果が持続します。また、シアリスはバイアグラ、レビトラよりもさらにPDE-5のみを選択的に抑制するため、食事の影響を最も受けにくく、バイアグラ、レビトラに比べて副作用の頭痛、ほてり、鼻づまり感などが少ないとされています。
バイアグラ、レビトラ、シアリスとも偽造医薬品が多く出回っていますので注意する必要があります。同じ商品名で価格の安い偽造品は配合成分の濃度にバラツキがある場合や不純物を含有しているケースもありますので大変危険です。尚、商品名は異なりますが、ジェネリック(代替・後発)医薬品として発売されている製品は当該製造国の政府機関による許認可の元で製造され、ブランド新薬と同一の品質成分が保たれていますので安心して使用することができます。ジェネリックのED治療薬としてはバイアグラと同等のカマグラ、カベルタ、シアリスと同等のタダリス、アプカリスなどがあります。 |
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| ED治療薬の副作用と注意点 |
バイアグラやレビトラなどのED治療薬の服用で一般的に起こりうる副作用には頭痛、鼻づまり、顔面紅潮、下痢などがあります。また、物が光って見えたり青く見えたりする視覚変化や血圧降下などが起こる場合もあります。これらの副作用には個人差がありますが、バイアグラやレビトラを服用した人の殆どが何らかの症状を体験します。
ED治療薬は陰茎海綿体への血流を増やすために血管を弛緩させて拡げるように作用しますので、以下のような病気の方は十分に注意して服用する必要があります。特に、ニトログリセリン系の心臓病治療薬との併用は急激な血圧低下によって心臓発作や脳梗塞など、生命の危険を伴う症状を引き起こす可能性があります。
- 狭心症などの心臓病
- 低血圧・高血圧
- 肝臓病・腎臓病
- 脳梗塞・心筋梗塞の発症者
- 重度の糖尿病
また、普通に勃起する人が服用すると、約1%の割合で持続勃起症(立ちっぱなしの状態)を引き起こし、血液が海綿体内に滞留して酸欠状態となり陰茎組織がダメージを受ける恐れがありますので、決して面白半分で服用してはいけません。
ED治療薬は使い方を誤ると死の危険を伴うお薬ですので、医師の指導の元で服用してください。また、併用すると危険な薬がありますので、服用中のお薬は全て医師に知らせてください。 |
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| ED改善のために |

EDは決して不治の病ではなく、ED治療薬の服用をきっかけとして改善に向かうケースがあります。まずは医師によるカウンセリングを通してEDの原因を正確に把握することが大切です。ED治療薬の服用はEDの状態をはじめに克服するためのきっかけ作りであり、原因を把握することができれば、原因に則したさまざまな療法によって根本的な改善を図ることが可能です。
また、禁煙や飲酒量の節制、散歩や全身のストレッチなどの適度な運動の継続、食生活の改善とサプリメントの利用など、生活習慣の見直しによってEDを改善することも可能です。年齢を重ねるとEDの有病率も次第に高くなりますが、勃起障害に繋がる問題が少なければ60代、70代の方でも十分にパートナーとの性生活を共有することができますので、EDを諦めずに改善に向けた取り組みを始めてみることが大切です。
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